星組『ANOTHER WORLD/Killer Rouge』宝塚大劇場

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104期生の初舞台公演を見てきました。つい最近100期生を見たような気になってたのにもう104期生か…

私が見たのは以下の2回分。

5/14(月)13:00 愛彩めあり,光莉あん,美羽愛

5/21(月)13:00 光莉あん,楓姫るる,咲彩いちご

どなたか全く存じ上げないのですが,男役さんで物凄く声のよく通る方がいるな,という感想。いや,ほんとにマイク付けてる男役さんの中の誰か…としか言いようがないのですが,これはなかなかに歌ウマさんがいるぞ…頭角顕すのが楽しみです。下手の端から7人目。

ANOTHER WORLD

なんか色々思ってたのとは違ったのですが,凄く面白かったです。従来の宝塚らしくない,でもちゃんと宝塚の枠内に収まってる。それでいて「今の星組」でしか出来ない演目だとつくづく感じました。

いくら関西弁ネイティブとはいえ,それを嫌味無く,あんな早口で言える(そしてそれに違和感を感じさせない)紅ゆずるという存在は確かに稀有。

恋煩いで死ぬくらいなよっとした若旦那が一回死んだことで借金の取り立ても出来るようになったし,鬼を相手に交渉も出来るようになったし,かといって臆病なところはまだ残ってるのが愛される人柄の康次郎というか。

それにしてもあのレビューと見紛うようなお衣装なので特に違和感なかったのですが,あの額飾りはまさかの死者の天冠が華やかになったものだったとは…その発想はなかった。いや,この演目自体が「その発想はなかった」の塊なんだけど。

あんな華やかに「なんまいだー」と言われてしまうと不謹慎とか裸足で逃げ出すというか,それが落語だよね,というか。

白拍子のあーちゃんは可愛さが先立って白拍子に(私が)求める男装の麗人感はなかった…

あそこの小野小町の和歌は,ああやって節を付けて歌われるともうそれだけでエトワールだから和歌はしっかり意味を踏まえた上で,区切りを変えて読むべきだとしみじみ。単に575/77で切るんじゃなく,575/7/7になったことで最後の「眺めせし間に」がすごくぐっときた。

あーちゃん(お澄)はあくまで静御前の代役なので,歌も静御前の『吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき』。

脱衣婆の衣装がなんか中華っぽい,と思っていたら,まさかの虞美人。もう花組で虞美人やったの10年以上前なのか…と思うとなんか隔世の感がある。ていうかそんな虞美人に「おばあさん」と呼びかけて「ババアって呼ぶんじゃないよ!」って速攻バッサリやられたのに全くめげずにその後も「おばあさん」と呼び続けるお澄ちゃんまじつよ。ここは初回は笑いがなかったけど,二回目に見たときには笑いがあって,そうそうここは笑うところやんな。

それにしても,蛇を振り回して叩きつけて殺したり,現世に来た閻魔らに対しても「虐めるなら今」「未来永劫虐められる」とかなにこのこ怖い。なんで恋煩いで死んだかわからんくらい怖い。これが鬼の霍乱というやつか。

あと,あのヘビを殺す発言の後の「怖い><」がどう見ても未知やすえ(関西人にしか通じない)。

崇徳院を人形浄瑠璃に仕立てた場面,琴ちゃんとくらっちがほんとに夫婦漫才で,くらっちのボケたおしに突っ込む琴ちゃんの尻に敷かれっぷりというか,カカア天下っぷりすごく良いですね!!

そしてくらっちはめいどかふぇの夢を秒で打ち砕くあの河内娘っぷりがとてもいい。

江戸の二枚目な琴ちゃんは出てくるなり現世の遊びはやり尽くしたパリピ感。遊びやり尽くしてあの世見物に行こうとフグの肝を食らうあたりがなんていうか頽廃的というか。純朴過ぎて死んだ康次郎とは真逆やな。というか,康次郎とお澄の純愛に飢えてる亡者が多いというから,徳三郎もこの仲間ということか。

それにしても徳三郎格好良すぎて,幕間にJKが「徳三朗さん格好いい….」って口々に言ってるのが聞こえてきましたよ。

れんたの阿修羅となっちゃんの天女は人頭杖の代わりかなぁ,と思ってみたり。それにしてもれんたの阿修羅は他の顔もしっかりれんたで小道具さんの拘りェ…

あと,あまり仏教詳しくないんだけど「十万億土」で浄土信仰だし時代からして浄土真宗なんだろうか。それにしてはさゆみは経帷子に旅装束…現代の浄土真宗では即往生(49日の旅をしないで漏れなく極楽へ)なので経帷子着せないときくけれど,それでも草鞋だけ履かせた時もあるから地域差だろうか…

なのでかいちゃんが若旦那の経帷子を見て「時代遅れでっせー!」と笑うのは確かによく分かる。

で,みつるの貧ちゃん。10数年ぶりの貧ちゃん,やっと福の神になれてよかった…!

阿漕な杏瑠ちゃんと豊かな老後を目指す貧ちゃん…いや,冥途に老後とかなくね?っていうツッコミは無粋やな。

冥途歌劇団にしても,冥途電気鉄道や冥途デパートにしても,宝塚という1世紀続いた実績と小林一三の実績とをそのまま移植できるのはほんとに強みだなぁ,と。冥途のスターのみきちぐさん格好良かったし,阪急マルーンカラーのロケットもかわいかった。

ていうか馬の足まで市川團十郎の忠臣蔵とかそら連日満員御礼でしょうよ…! 役替わりしても全員市川團十郎…

骸骨のストリップショーは見たいと思わないけど,幽霊のラインダンスは確かに気になる。どうやって足上げるんだろう…教えて円山応挙

Killer Rouge

最初から最後までサイトー全開でフルスロットルなショーでした。常にアクセル踏みっぱなし。

紅頭巾Chang,って前になんかのショーでもそんなんやったやろRSFとかRSFとか! あれは確か花Changだったけど。

まいけるがアッシュヘアで化粧が濃くて一瞬うわ,とも思ったのですが,あの王冠つけた時にはそれがマッチしていたのでナルホドあの場面のための化粧か。あの場面のまいけるめっちゃエロ格好いい(まいけるは大体いつも色気溢れてると思ってる)。

瀬央くんが真ん中で歌ってるのを見て,まだぎこちないのが微笑ましく…いや,待って,琴ちゃん別格すぎね?と琴ちゃんの異次元っぷりも再認識。

エトワールがいーちゃんで,ああ,あのメガネイケメン音咲いつきが女の子になってしまった…という嘆きがまだ私の中にある…往生際が悪い。

ショーはいつも終わった途端に記憶が飛ぶんだけど,今回も大概記憶がもうろうとしていて,みきちぐさんと柚長のデュエダンエロかったとか他に言うことないんかい,みたいな事しか記憶にない…

まとめ

今回の演目は前評判そんなに高くなかったかもですが,かなりお勧めできると思います。良い意味で宝塚らしくない演目で,(ある意味)新作とはいえ,話は分かりやすいしカラッと明るいし,日本物だけどとっつきにくくないし。

それでいてショーは安心安定のサイトー。これでお勧めできない訳がない。

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